副業の確定申告っていくらからしないとダメ?会社にばれない方法は?

2020年以降、在宅ワークの普及により、副業を始める人が目立ちました。マイナビによると、2020年以降に副業を始めた人は労働人口全体の4割を占めます(参照元:副業の最新事情 – コロナ禍を境に活発化する副業の実態調査 | マイナビニュース (mynavi.jp))

しかし、副業で大きな壁となるのが確定申告です。企業に勤めていると確定申告は会社がやってくれますが、副業は自分で申告する必要があります。

また、会社に内緒で副業をしていて「確定申告で会社に副業がバレるのでは…」といった懸念を持つ方も多いでしょう。そこで今回は副業における確定申告、あわせて会社に副業がバレない方法も解説していきます。

副業の確定申告は20万円が基準

確定申告は細かく、ややこしいイメージがありますが、副業の確定申告は20万円が基準だということを最初に覚えておいてください。

20万円が目安の数字と認識しておきましょう。確定申告のやりかたについては下記に動画を載せておきますので、気になる方はご覧ください。

(16) 確定申告のやり方を”最初から最後まで”税理士がわかりやすく解説!【完全保存版】 – YouTube

収入が20万円以下の場合は確定申告不要(アルバイト・パートなど)

アルバイトやパートで年間の収入金額が20万円以下だと確定申告は不要です。収入とは額面の金額になります。保険や税金が引かれる前の金額です。

例として、月の収入が2万円×12ヶ月だと年間で24万円になるので、確定申告する必要があります。逆に月の収入が1万円×12ヶ月だと年間で12万円なので、確定申告する必要はありません。

所得が20万円以下の場合は確定申告不要(クラウドソーシングなど)

クラウドソーシングなど委託契約で収入を得ている場合は、所得が年間で20万以下だと確定申告は不要です。所得=収入―経費の計算です。

例として、年間の収入が25万円、かかった経費が10万円とすると、所得は15万円になるので確定申告は不要になります。

逆に年間の収入が40万円、かかった経費が10万円とすると、所得は30万円なので確定申告する必要があります。

確定申告は不要だが住民税の申告はしないとダメ

見落としがちな人が多いですが、確定申告は不要でも住民税は申告する必要があります。確定申告は所得税を決めるためにあります。一方で住民税は所得に応じて計算されるのです。

収入や所得が20万円以下でも、翌年の住民税を決めるために別途収入があればその旨や金額を申告する必要があるのです。

会社に副業がバレる可能性で一番高いのが住民税

ちなみに会社に副業がバレるパターンとして一番多いのが住民税です。なぜなら、多くの会社は特別徴収(給与から天引き)で住民税を納付します。

会社が役所に従業員の給料を知らせ、役所が住民税を会社に報告します。会社はその金額をもとに、毎月の給与から住民税を天引きして払っているのです。

つまり副業をしていると、副業と本業を合算した金額が会社に通知されます。所得に対して住民税が高すぎるのでバレてしまうのです。

会社に副業がバレないようにするには

安心してください。会社にバレない方法があります。副業分の住民税を特別徴収ではなく普通徴収(自分で納付)にすると会社にバレません。

なぜなら、副業分は自分に通知がきて自分で納付するやり方なので、会社には本業分だけで算出した住民税が通知されるのです。

確定申告がない人は、住民税を発送する役所に「副業分と会社分の住民税を分けて発送してください」と依頼するだけで大丈夫です。

確定申告がある人は、確定申告書に住民税の納付方法を選ぶ欄があるので、副業の確定申告をするときは、自分で納付にチェックを入れましょう。

引用元:手順6 住民税に関する事項を記入する|国税庁 (nta.go.jp)

副業の所得の種類例

ここからは副業における所得の種類を説明していきます。

給与所得

副業でアルバイトやパートをしている場合は、給与所得に分類されます。

本業以外の会社から給料が発生している形になるからです。

譲渡所得

譲渡所得は、株式や土地、建物などの資産を譲渡したことによる利益です。

事業用の商品などの譲渡による所得は、譲渡所得になりません。

事業所得/雑所得

事業所得や雑所得に分類されるのはユーチューバーやブログ収入、クラウドソーシングや仮想通貨、FXなどが当てはまります。

事業所得と雑所得の違いは、事業として継続しているかどうかです。営利目的の転売、せどりは雑所得になる可能性があるので注意しましょう。

不動産所得

不動産所得は、家賃による収入などで得た所得のことです。

他に敷金や保証金、共益費なども不動産所得に分類されます。

副業で申告不要の場合でも確定申告をすると得するケース

実は副業で確定申告をする必要がなくても、確定申告をすると得するケースもあります。

どんなケースがあるのでしょうか?次項から説明していきましょう。

源泉所得税の還付

会社の年末調整で払いすぎた税金が返ってきた経験をした方は多いのではないでしょうか?副業でも同様のことが起こり得ます。

特にクラウドソーシングなどで、デザインや原稿など企業との仕事が多い方ほど還付される可能性は高いです。なぜなら、あらかじめ企業側が売上金額から源泉所得税を天引きしている可能性があります。

税金の前払いみたいな形になるので、確定申告をした際に、すでに支払った税金が返ってくる仕組みです。

 損失の繰り越し(※青色申告の場合)

申告方法には白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告の場合、損失(赤字)分を繰り越すことができます。繰り越しは翌3年間まで可能です。

つまり今期は赤字で20万円、来季が40万円の黒字(利益が出ている)だったとします。40万円の黒字―20万円の赤字=20万円の黒字となるのです。

利益が少ないほど税金も減るので得する仕組みになっています。

※青色申告を選択するには開業届を税務署に提出する必要があります。また、白色申告に比べて帳簿の記帳方法も複雑です。

確定申告の有無にかかわらず帳簿を付けることが大事

確定申告の有無にかかわらず、帳簿をつけることが大事です。家計簿をつけている人はイメージしやすいのではないでしょうか?

日々の事業の収支(収入や経費)を記録するということです。最近は個人用の会計ソフトも多くでているので会計ソフトを使うのもアリです。

忙しい方などは税理士に依頼するのも一つの手です。どちらにせよ領収書はきちんと保管しておきましょう。また、税務署でも記帳方法についてのセミナーが無料で開催されていたりするので、セミナーに参加するのも良いでしょう。

記帳することにより、事業における経費や毎月の売上高を把握しやすくなります。他にも今後の方向性や今月は売上が少ない、今月は売上が多いなど色々な分析ができるようになるのです。

まとめ

  • 副業の確定申告の基準は20万円

➀ 収入が20万円以下の場合は確定申告不要(アルバイト・パートなど)

② 所得が20万円以下の場合は確定申告不要(クラウドソーシングなど)

  • 確定申告が不要でも住民税の申告はする必要がある

➀会社に副業がバレないようにするには、副業の確定申告の際に普通徴収(自分で納付)を選択

②確定申告がない人は、住民税を発送する役所に「副業分と会社分の住民税を分けて発送してください」と依頼する

副業の所得の種類例

➀ 給与所得

② 譲渡所得

③ 事業所得/雑所得

④ 不動産所得

  • 申告不要の場合でも得するケース

➀ 源泉所得税の還付

② 損失の繰り越し(※青色申告の場合)

  • 確定申告の有無にかかわらず帳簿をつけることが大切