世界恐慌とは?世界恐慌の仕組みを簡単に分かりやすく解説!

2020年は、新型コロナウイルスにより世界の経済に大きな打撃を与える一年となったのは記憶に新しいです。コロナ禍による影響を「世界恐慌」という言葉で表現したメディアも見受けられました。

とはいえ「世界恐慌っていったい何?」と感じた方も多いのではないのでしょうか。今回は世界恐慌の仕組みについて、できるだけ簡潔に分かりやすく解説していきます。

少しでも参考にして頂けたら幸いです。それでは見ていきましょう。

世界恐慌とは

世界恐慌とは簡単に言うと、世界中の経済が悪化し不景気になるということです。もともと1929年にアメリカを発端に起こった世界大恐慌のことを指す言葉でした。

不景気になると、物が売れなくなる(需要がなくなる)→商品の生産が減る(供給が減る=仕事が減る)→仕事がない状態だと従業員が過多状態になるので、余分な従業員はリストラされる→失業者が増える、と悪循環に陥ってしまうのです。

最近では2008年にリーマンショックが起きました。世界大恐慌もリーマンショックもアメリカを発端として世界中に連鎖していきました。

アメリカは経済において世界の中心であり、ドルは世界で通用する通貨でもあるので世界各国がアメリカの影響を受けやすくなります。

世界恐慌の歴史

では世界恐慌の元となる不景気が発生するメカニズム(仕組み)とは何なのでしょうか?

歴史を振り返りながら解説していきましょう。

ウォール街大暴落(大恐慌)

すでに申し上げた通り、世界恐慌とはもともと1929年にアメリカを発端に起こった世界大恐慌のことです。

1920年代に入りアメリカ国内の都市化はどんどん進んでいました。この時点ですでにアメリカは世界の経済の中心です。

住宅や道路といった開発も進み好景気だったのです。将来を期待して世界各国の人がアメリカの株を購入していました。

家や土地も転売目的で売れに売れました。ちなみに日本のバブル崩壊やリーマンショックが起きた際も、直前まで家や土地は高騰し売れに売れていたのです。

好景気だったからか、アメリカは商品を過剰生産していたので商品の売れ残りが増えていきました。徐々に売れなくなっていくのに対し売れ残りの商品は増える一方です。

そして1929年10月24日、暗黒の木曜日と呼ばれる株価の大暴落が起きてしまったのです。

ニューヨーク証券取引所で株価が大暴落

商品が売れないということは将来に期待できない、また株価も過剰に上がりすぎているのではないかと考える人が増えていたのでしょう。

1929年10月24日、ニューヨーク証券取引所の株価は大暴落してしまいます。みんな考えることは同じで少しでも利益を出せるうちにアメリカ企業の株を売ってしまおうと考えたのです。

結果としてアメリカ企業の株を売る人が続出し、大暴落につながったのです。

アメリカ国民は不安に感じ一斉に銀行から預金を引き出します。今度は銀行がつぎつぎ倒産していきます。

世界中の人は上記のニュースをみて不安に感じ、同じように一斉に預金を引き出すので、世界中の銀行も倒産してしまうのです。

最終的に失業者も増え経済は悪化していきました。このようにアメリカを発端として連鎖してしまったのです。

これが世界恐慌と言われるようになった最初の出来事なのです。

リーマンショック(世界金融危機)

近年では2008年に起きたリーマンショックが有名です。

リーマンショックも2008年の9月にアメリカのリーマン・ブラザーズという会社の破綻がきっかけで世界恐慌を引き起こしました。

リーマン・ブラザーズは投資銀行の会社(金融機関)です。日本にはない金融機関ですが業務内容は、証券会社が近いと言えるでしょう。

破綻のきっかけは「サブプライムローン」問題です。サブプライムローンとは信用力が低い人に高金利でお金を貸し付ける制度(住宅ローン)です。

アメリカでは2002年くらいから住宅バブル(建物や土地の価格が高騰)が起こっていましたが2007年ごろにバブルは弾けました(終了した)

リーマン・ブラザーズの経営破綻が世界的な金融危機(世界恐慌)につながった

土地や建物のローンを払えない人が続出しましたが、アメリカは土地や建物を返還するだけでローンがチャラになります。

建物や土地の価値は暴落しました。リーマン・ブラザーズは住宅ローンなどの債権ビジネスに強みを持っていました。

住宅バブルの崩壊、サブプライムローンといった問題からリーマン・ブラザーズは巨額の損失を抱えているらしいという噂が広まったのです。

リーマン・ブラザーズは信用を無くし株価も急落していきました。資金繰りに苦しみ、結果として2008年の9月に経営破綻したのです。

リーマン・ブラザーズは大手の金融機関だったので世界中に金融不安が広がりお金の流れが止まりました。

世界中の金融機関が倒産していきました。結果的に世界中に不況が連鎖したのです。

リーマンショックも世界恐慌を引き起こした原因と言えるでしょう。

新型コロナ

2020年は新型コロナウイルスが世界経済に大きな打撃を与えました。

現在は現金給付や補助金などの経済対策で持ち直しています。しかし飲食店やホテル業、旅行業界などは今もなお深刻な状況です(※2021年3月13日時点)

実質国内総生産(GDP)の下落率が、フランスやイギリスでは大恐慌時よりコロナ禍の方が上回ったそうです。

リーマン時とコロナ禍で鉱工業生産や輸出、小売売上高の落ち込みに関してもコロナが一時的にリーマン時を上回りました。

2021年3月現在アメリカは金融政策により資産価格が急激に上昇しています。これをバブルの予兆だと捉えている人も多いです。

今後のアメリカの金融政策に注目しましょう。

まとめ

  • 世界恐慌とは簡単に言うと、世界中の経済が悪化し不景気になるという意味→もともと1929年にアメリカを発端に起こった世界大恐慌のことを指す言葉
  • アメリカは世界の中心なので世界恐慌の発端になりやすい

世界恐慌の歴史

  • ウォール街大暴落(大恐慌)

1929年にアメリカ企業の株価が大暴落したことにより世界恐慌を引き起こした

  • リーマンショック

アメリカのリーマン・ブラザーズの破綻が世界的な金融危機(世界恐慌)につながった

  • 新型コロナ

2020年に新型コロナウイルスの流行により世界経済に大きな打撃を与えた

景気は良いときもあれば悪いときもあります。悪い傾向をいち早く察知し、対策を練ることが重要なのかも知れませんね。ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。