【スポーツ業界のAI活用事例】オリンピックでもAIの活躍に注目!

“AI”という言葉は今や誰もが知っている言葉です。近年ニュースでもよく取り上げられるようになりました。AIは囲碁のプロを倒したり将棋のプロを倒したりしたのが記憶に新しいですよね。メディアに大きく取り上げられるようになったのも、ここ数年の事です。

AIの研究自体は1950年頃から研究されているので、70年くらい経ちます。最近になって取り上げられることが増えたという事は、それほどAIを作る技術が進化しているのでしょう。

しかし日本ではまだまだ普及されていないのが現実です。スポーツ業界も例外ではありません。世界的に見るとスポーツ業界は日々、AIが普及され続けています。日本のスポーツ業界もAIの導入に前向きに取り組んでいる最中です。

今回は、日本のスポーツ業界がどうAIを活用しているか説明していきたいと思います。オリンピックでも是非AIに注目してください。それでは、次項から説明していきます。

近年のスポーツ業界の動向

㈱日本政策投資銀行が発表している経済規模推計という資料を見ると、日本のスポーツGDPは

  • 2014年→約7.2兆円
  • 2015年→約7.4兆円
  • 2016年→約7.6兆円

と発表されています。参照元:(日本版SSA2019 (mext.go.jp))

なおスポーツGDPの国内総生産(GDP)に占める割合は

  • 2014年→1.41%
  • 2015年→1.40%
  • 2016年→1.41%

と発表されています。参照元:(日本版SSA2019 (mext.go.jp))

日本のスポーツ業界は2002年から2012年の10年間で緩やかなマイナス成長を辿っています

しかし、世界のスポーツ市場は年々成長しているのです。アメリカのスポーツ業界の市場規模は45兆円と言われています。ヨーロッパやアジアも年々、市場規模が拡大されています。

日本も東京オリンピックが開催されるにあたり、スポーツの市場規模の拡大に力を入れている最中です。2016年には、スポーツ業界の成長促進事業に力を入れる事が日本経済再生本部より発表されました。

  • 2025年までに市場規模を15兆円にする。
  • 2021年までにスポーツ実施率を65パーセントにする。

といったのを主な目標としています。

普段運動をする人も減り、スポーツ実施率は40パーセントにまで下がっていた事も理由の一つです。そこで、スポーツ実施率を65パーセントにするといった目標も挙げました。

そういった経緯で国とスポーツ業界はスポーツ市場の強化に取り組み始めたのです。次項では、取り組むにあたり抱える事になった課題を紹介します。

スポーツ業界の抱える課題

現在のスポーツ業界が抱えている課題は大きく下記の2つが挙げられます。

1.少子高齢化による人材の不足

2.現地観戦における入場者数の減少

ひとつずつ見ていきましょう。

少子高齢化による人材の不足

近年、日本は少子高齢化で若者が減少し、高齢者が増えています。

スポーツにおいても競技人口や審判員が減少しつつあるのです。人材が少ない分、世界に通用する人材が出てこないという事もありえます。

若い人材が不足している事を、スポーツ業界は不安視していました。競技人口が少ない中で、世界で通用する選手に育て上げること。正しい判断が出来る仕組みを作ること。

上記の2点を踏まえた上で、今後は全てのスポーツに対し、競技人口が少ないながらもAIを活用して選手の課題点などを見抜き、効率よく育てていくことが求められます。また、誤審などを防ぐ対策も必要視されています。

現地観戦における入場者数の減少

日本で特に人気のスポーツと言えば、野球・サッカーです。しかし近年、現地観戦の入場者数が減少傾向にあったり、試合によって入場者数に大きなバラつきがあったりと問題を抱えていました。

そのため、観客動員による収益の低下が問題視されていたのです。他のスポーツでも同じことが言えるでしょう。

2020年はコロナの影響で、入場者数自体限られるようになりました。今後はオリンピックも控えています。限られた入場者数で、AIを活用しながら収益を出すことが大事になってくるでしょう。

スポーツ業界におけるAI活用事例

アスリート(選手)の指導や競技の際にAIを用いる

監督やコーチ、審判の上位互換としてAIの導入が進んでいます。現在はゴルフ、バスケ、体操の3種目だけですが、将来的にもっと増えていく事でしょう。

開発したのは富士通です。富士通は今後フィギアスケートやシンクロナイズドスイミングのAI開発にも力を入れていくと公言しています。

引用元:スポーツ分野でも使われるAI(人工知能)はどのような変化をもたらすのか |AI/人工知能のビジネス活用発信メディア【NISSENデジタルハブ】 (nissenad-digitalhub.com) 

事例

ゴルフは監督やコーチが指導する代わりにAIを取り入れ、改善点を一発で見抜き効率よく指導する制度を取り入れました。

課題

少子高齢化により、ゴルフに限らずスポーツ全体で競技人口が減少傾向にあります。

解決策

AIを取り入れ問題点・改善点を一発で見抜き、選手の成長を効率よく行い、早い段階で世界で通用する人材に育て上げることを目標としたのです。

効果

現時点では、AIを取り入れたばかりなので、残念ながら明確な参考データはございません。しかし、日本のスポーツ業界はAIの取り組みに力を入れてきています。

今後AIがスポーツに多く導入されると、明確な参考データも次々に出てくるでしょう。

(参照元:スポーツビジネスとAI|AIコーチと技術の見える化│HALF TIME Magazine (halftime-media.com))

(参照元:GOLFAI|スイング動画×AIでゴルフの新たな楽しみ方を提案)

ダイナミックプランシングの導入

プロ野球やJリーグで一部のチームだけですが、ダイナミックプライシングを導入しました。

ダイナミックプライシングとは多くの会場を満席にする事ができる仕組みです。 チケット代を試合ごとに変更させる仕組み、と言えば分かりやすいでしょうか。

つまり、チケットの販売状況、対戦相手や戦績、天候情報によってAIがチケットの価格を決めるのです。

引用元:売り上げ1割増! 横浜マリノスが“価格変動制”チケットを初導入 (fnn.jp)

事例

Jリーグの横浜マリノスは、2018年に観客動員減少による収益の低下を防ぐため、ダイナミックプランシング(価格変動制チケット)を導入しました。

課題

入場者数の減少、それに伴う収益の低下を抑えることが課題でした。

解決策

ダイナミックプランシングを導入することにより、チケットの価格を変動制にしたのです。

効果

1シーズンを通して見ると、従来の販売方法と比べて7~8パーセント収益が増えたのです。

 今後、ダイナミックプライシングを取り入れるチームも増えていくでしょう。

参照元:(売り上げ1割増! 横浜マリノスが“価格変動制”チケットを初導入 (fnn.jp))

終わりに

日本ではスポーツ業界以外を見ても、まだまだAIの導入が進んでいませんしかし、今後AIがメインになってくるのは事実です。積極的にAIを取り入れて変化に対応できる企業こそ、将来生き残る企業だと私は感じます。

海外はサッカーやテニス、アメフトといったスポーツにもAIを導入しています。確かにAIが完全に普及するのは100年先かも知れません。けれど早くに動いてデメリットはないはずです。

この記事を読んでAIの良さが伝わってくれている事を祈っています。

ここまで読んで頂き本当にありがとうございました。