昨今はコロナ禍の影響でニーズがある分野、伸び悩む分野キッパリ分かれているイメージです。
ニーズがある分野はIT、半導体、物流、医療、デリバリーなどでしょうか。逆に苦戦している分野は飲食、アパレル、航空、ホテルなどが挙げられるでしょう。
一方で団体職員は景気の影響に左右されにくく、収入も安定しています。安定性を求めるなら団体職員はおすすめです。
団体職員についてあまり知らない方も多いのではないのでしょうか?そこで今回は団体職員の職業や年収を解説していきます。少しでも参考になれば幸いです。
目次
団体職員とは
団体職員とは非営利組織(NPOなど)で働く人を指す言葉です。また、団体職員は明確な定義がないので判断が難しかったりします。ようは慈善事業(ボランティア)といったイメージです。
実際にボランティアとして無償で働いている人も多くいます。ただ、必ずしもボランティアで働いているわけではありません。
あくまで、利益を第一に追求せず社会貢献につながる事業(公共サービスの提供など)をメインとしているのが非営利団体=団体職員なのです。
一方で営利団体は利益を第一に追及する企業を指す言葉です。一般的に大半は営利団体に当てはまると言って良いでしょう。
団体職員は公的な事業のイメージから公務員と混同されがちですが、公務員ではありません。しかし、準公務員と言われることもあります。会社員ではなく公務員でもないので準公務員と呼ぶ人が多いのです。
非営利組織に属する団体職員にはどんな仕事があるのでしょうか?次項で説明していきましょう。
団体職員の主な勤務先
NPO法人
NPO法人とは、簡潔に言うと非営利活動に該当する法人です(下記参照)
引用元:特定非営利活動法人(NPO法人)制度の概要 | NPOホームページ (npo-homepage.go.jp)
いくつか有名なNPO団体を挙げると
・シビックフォース→災害発生時に被災地に入り、被災者支援を行うNPO団体
・森づくりフォーラム→全国各地の森林ボランティア活動をネットワークでつなぐ環境系NPO団体
・フローレンス→病児保育、乳児虐待、子育て、待機児童、ひとり親、障害児保育など、子育てに関する諸問題の解決を目指す保育系NPO団体
といったように大きく社会貢献している団体ばかりです。NPO法人は設立時の人数が10名以上必要になります。設立費用は無料で事業内容に制限があります。
一般社団法人
一般社団法人とNPO法人は似ていますが、違いがあります。一般社団法人の人数は設立時に2人以上必要です。
また一般社団法人は設立時の費用が10万円ほど必要です。事業内容の制限はありません。
公益社団法人
公益社団法人を設立するためには、一般社団法人として会社を設立している必要があります。公益社団法人は行政庁に公益認定申請を行い、審査を通らなければ設立できません。
設立が難しい分、公益社団法人は社会的信用能力が一般社団法人より高くなります。
公益社団法人は、法律で定められた23の公益目的事業のうちいずれかの事業をおこなう必要があります(下記参照)
一般財団法人
一般財団法人は設立時に理事3人、監事1人、評議員3人以上が必要です。よって7名以上いないと設立できません。さらに300万円の資金が必要になります。事業内容の制限はありません。
公益財団法人
公益財団法人を設立するためには、一般財団法人として会社を設立している必要があります。公益社団法人と同様、行政庁に公益認定申請を行い、審査を通らなければ設立ができません。
事業内容も公益社団法人と同じく、23の公益目的事業のうちいずれかの事業をおこなう必要があります。
商工会
商工会とは、地域の小規模事業者の支援を目的とした団体です。商工会を設立するためには、経済産業省中小企業庁に申請を行い、審査に通る必要があります。
また、従業員20人以上(商業・サービス業は5人以上)で資本金が300万円以上の商工業者の過半数の同意が必要です。
業務内容は地域の小規模事業者の経営相談や個人の起業相談、原産地証明や国際貿易についてなど多岐に渡ります。
協同組合
協同組合はJA(農業協同組合)やJF(漁業協同組合)、生活協同組合や森林組合が有名です。協同組合も利益追求ではなく、暮らし・生活の向上を目的として活動しています。
人と人のつながりを重視、つまり助け合いの精神がモットーなのです。世界にも協同組合は多数あり、各国の協同組合が助け合うといった、グローバル化も盛んです。
団体職員の平均年収
厚生労働省の発表によると、団体職員の中でもNPO法人に関していえば、平均年収は約200~300万円ほどです(参照元:非営利セクター・社会的企業の雇用等について 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
令和2年9月に国税庁より発表された、令和元年度の日本人の平均年収は436万円です(男性:540万円・女性:296万円)(参照元令和元年分 民間給与実態統計調査|国税庁 (nta.go.jp))
営利を第一にしていないので一般企業より給与は低い傾向にあります。
ただ、団体職員は幅広いので給与はピンキリだと言えるでしょう。例えば独立行政法人国際協力機構(JICA)は高収入です。令和2年6月にJICAより発表された年収金額は、常勤職員で平均838万円、在外職員は平均1346万円と報告されています(参照元:独立行政法人国際協力機構(法人番号9010005014408)の役職員の報酬・給与等について)
団体職員のメリット
団体職員のメリットとは何なのでしょう?
ここからは、団体職員のメリットを2つ紹介します。
収入が安定している
まず収入が安定している点です。非営利団体は国や地域からの補助金を主な運営費としています。つまり、収入源は税金と言えるので一般企業より安定しており、景気に左右されにくいです。
また、産休や育休も取得しやすいので、女性も長期間働きつづけることが可能です。
やりがいを感じやすい
次にやりがいを感じやすいという点です。前述したように非営利団体は、利益を第一に追求せず社会貢献につながる事業(公共サービスの提供など)をメインとしています。
感謝やお礼の言葉を貰うことも多く、やりがいや達成感を感じやすいです。人の役に立ちたい、社会貢献を身近に感じたいという人にはピッタリでしょう。
団体職員のデメリット
次に団体職員のデメリットを紹介していきます。
収入が低い
収入が安定しているということは裏返して見れば収入の変化は乏しいということです。給与は徐々に上がってはいきますが、一気に上がる可能性は低いです。
また、実力が加味されにくく不満を持つ方もいるでしょう。ただ、団体職員でも給与はピンキリなので給与が高い非営利団体に属するという手もあります。
自分の意見が通りにくい場合も
古い慣習に縛られていたり、一つの固定観念を持ち続けたりしている非営利団体も少なくないです。
特に地方の非営利団体に多く見受けられます。変化を極端に嫌っているので、自分の意見が通りにくい可能性もあります。家族経営だと、なおさら意見が通りにくくなるでしょう。
団体職員に向いている人
以上の点から踏まえて団体職員に向いている人は
- 安定した給与を望んでいる
- やりがいや社会貢献を重視
- 給与額にはあまりこだわらない
といった考えを持つ人でしょう。
逆に
- 安定しつつ昇給も望んでいる
- 自身のスキルアップ重視
- 給与額にはこだわる
といった考えの人は一概には言えないですが、団体職員に向いていないと言えます。
団体職員になるにはどうすれば良いのでしょうか?次項からは団体職員になる方法について説明していきます。
団体職員になるには
団体職員に就職・転職する方法ですが、一般的な就職・転職活動と変わりはありません。就活サイトや転職サイト、転職エージェントやハローワークを活用して応募します。
ただ、地域の団体職員になりたい場合は、地域のハローワークに求人が掲載されやすいので、ハローワークメインで活動することをおすすめします。
それ以外だと転職エージェントを活用することをおすすめします。次項から、おすすめの転職エージェントや合わせて利用しておきたいサイトを紹介していきましょう。
団体職員への転職に利用したいおすすめの転職エージェント
転職エージェントを利用するなら
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- doda
- ビズリーチ
上記4つの転職エージェントだけで充分だと考えています。
上記の転職エージェントの特徴をそれぞれ説明していきましょう。
リクルートエージェント
引用元:転職エージェントならリクルートエージェント (r-agent.com)
リクルートエージェントは国内最大手であり、総合的に見ても国内No.1の転職エージェントです。リクルートエージェントだけが保有している非公開求人も多いです。
サポートも充実しており、企業との交渉などもしてくれます。ただ、利用者も多く非公開でも人気企業は倍率が高くなる傾向にあるので、注意しておきましょう。
マイナビエージェント
引用元:転職エージェントならマイナビエージェント|求人・転職サイト (mynavi-agent.jp)
マイナビエージェントは20代の求人に強いエージェントです。第二新卒や初めての転職の際に利用する20代も多いです。
大企業に就職したい20代は必ず利用するべきエージェントでしょう。ただ、マイナビエージェントは最初の登録が通らない可能性もあります。ある程度の学歴やスキルは必須なのかも知れません。
DODA(デューダ)
引用元:転職ならdoda(デューダ) - 転職を成功に導く求人、転職情報が満載の転職サイト
dodaは求人数が多いのはもちろん、何といってもサポートの手厚さに評判があります。
サポート体制は国内No.1といっても過言ではないでしょう。エージェントはこれでもかというほど親身になってアドバイスをしてくれます。転職に不安がある方はぜひとも利用してほしいエージェントです。
求人数はリクナビエージェントなどの大手よりは少ないので理解しておきましょう。
ビズリーチ
引用元:選ばれた人だけのハイクラス転職サイト【ビズリーチ】 (bizreach.jp)
ビズリーチはハイクラス向け転職サイトではトップクラスの求人数を誇ります。CMで目にする方も多いのではないでしょうか?1,000万円以上の年収を狙うならビズリーチを活用しましょう。
ただ、ビズリーチはハイスペックでないと登録すらできないので、ハードルは相当高いでしょう。登録できると企業側からスカウトされる方が多いようです。
転職サイトと合わせて見るべきおすすめのサイト
転職活動の際には転職サイトだけではなく、合わせて見るべきサイトもあります。企業研究や応募するかどうかの判断の決め手にもなります。
次項から、転職サイトと合わせて見るべきおすすめサイトを紹介していきましょう。
転職会議
引用元:【転職会議】企業の口コミ・評判・求人が豊富な転職サイト (jobtalk.jp)
転職会議は転職口コミ数300万件以上・会員数700万人以上の国内最大の口コミサイトです。どういった企業か調べるときに、実際に働いている・働いていた人の口コミは非常に参考になります。
実際の現場の声を知れるので、信憑性も高いです。ぜひとも、転職サイトと合わせて利用してほしいサイトの1つです。
ミイダス
引用元:転職アプリならミイダス| あなたの市場価値を見いだす転職サービス (miidas.jp)
ミイダスは、自分の市場価値を無料で知ることができるサイトです。また、大手企業から直接オファーが来る場合もあります。自分と似た経歴の人の転職データを見ることも可能です。
似た経歴の人が、どこに転職したかも知ることができるのです。無料で利用できるので、ぜひとも転職サイトと合わせて利用しましょう。
インテリゴリラ
引用元:有名企業の選考実体験を掲載 | インテリゴリラ (intelli-gorilla.com)
インテリゴリラは難関企業を目指す若手向けのサイトです。また、完全非公開の選考情報も保有しています。
実際に選考を受けた人の選考体験記も載せており、面接や書類で充分な対策を練ることができるようになります。大企業や難関企業を目指す20代はぜひ、転職サイトと合わせて利用してください。
まとめ
団体職員とは非営利組織で働く人を指す言葉
非営利組織=利益第一ではなく、社会貢献や公共サービスを第一に考えている組織
主な非営利団体組織
- NPO法人
- 一般社団法人・公益社団法人
- 一般財団法人・公益財団法人
- 商工会
- 協同組合
団体職員の平均年収は200~300万ほど
しかし平均年収が1,000万を超える団体(JAC)もあるので、ピンキリだと言える
団体職員のメリット
・給与が安定している
・やりがいを感じる
団体職員のデメリット
・収入が低い
・自分の意見が通りにくい
団体職員が向いている人
・安定した給与を望んでいる
・やりがいや社会貢献を重視
・給与額にはあまりこだわらない
といった考えを持つ人。
団体職員が向いていない人
・安定しつつ昇給も望んでいる
・自身のスキルアップ重視
・給与額にはこだわる
といった考えを持つ人(一概には言えない)
団体職員になるには
一般的な就職・転職活動と変わりはない。就活サイトや転職サイト、転職エージェントやハローワークを活用。
※地域の団体職員は、地域のハローワークに求人が掲載されやすいので、ハローワークメインで活動をおすすめ。それ以外だと転職エージェントを活用する。