日本人の個人金融資産は現預金が半分以上を占めています。しかし日本は超低金利時代。銀行の金利が0.01パーセントで100万預け入れていたとしても、年間で増えるのは100円だけです。
日本人は9割を円資産で保有し、1割を外貨資産で保有しています。円安になれば円建ての資産は目減りしてしまいます。
お金の増やし方や動かし方は学校では学びませんでした。だからこそ、自身で投資を実践する必要があるのです。老後2,000万円問題や70歳までの定年延長と、老後について考えさせられることも多くなりました。
この記事では資産運用の一種であるNISAという制度を紹介します。資産運用が初めての方に、おすすめの制度です。少しでも参考にしていただければ幸いです。
目次
資産運用とは?
資産運用とは、投資をして自身の資産を増やしていくことです。【お金を動かす】という表現もされます。
自分のお金をどう活用するかは教育で学びませんでした。なので、どう活用して良いか分からないという方も多いでしょう。
資産運用に怪しさを感じる方も多いです。昨今は資産運用の詐欺が横行しているので、そういったイメージが根付きつつあります。
しかし、資産運用の従来の意味はお金を動かすことによって、資産を長期的に増やしていくという意味なのです。けして投機=ギャンブルでないことを理解していただきたいです。
次項では、どう始めたら良いのか説明していきます。
始めて資産運用をするなら投資信託をしよう!
初めて資産運用をするときは、投資信託から始めることをおすすめします。投資信託とは自身で資産を運用するのではなく、ファンドマネージャーというプロが代わりに運用してくれます。
実際に相場の動きを見て、投資の世界がどうなっているのか学ぶことも可能です。始める際は、銀行や証券会社で手続きをしましょう。ネット証券からでも手続きできます。相談自体は無料ですので、まずは相談してみるのもおすすめです。
次項では投資信託のメリット・デメリットを説明していきます。
投資信託のメリット
投資信託のメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 少額から投資できる
- 自動積立が使える
- 投資対象が広い
1つずつ見ていきましょう。
少額から投資できる
投資信託は銀行・証券会社によっては、100円から始めることが可能です。100円でなくても数百円あれば始めることができます。お試し感覚や、投資がどういったものか把握するためなどの理由で、手軽に始めることができるのです。
自動積立が使える
投資信託は自動積立の機能を使うこともできます。自動積立を利用すると、毎月の決まった日に決まった金額を、自動的に口座から引き落としてくれるのです。手間がかからないので、忙しい人も投資をしやすくなります。
投資対象が広い
投資対象は株だけではなく債権、不動産、FX(外国為替証拠金取引)など多岐に渡ります。国内・海外問わず投資ができるので、複数にリスクを分担させることができるのです。
1つの株式だけに投資をしていたら、その株が急落したときに大きな損失になります。複数に投資をしてリスクを抑えることが、投資の原則です。
投資信託のデメリット
投資信託のデメリットとして下記の2つが挙げられます。
- 元本割れする可能性もある
- 販売手数料・信託報酬料がかかる
それぞれ見ていきましょう
元本割れする可能性もある
投資信託は元本が増えるのを保証するものではありません。100万円元本があったとして10年20年後、50万円になっている可能性もあります。
プロでも株式の動きの予想は難しいです。なので、必ず増えるわけではないということを留意しておきましょう。
販売手数料・信託報酬料がかかる
投資信託は購入時にかかる販売手数料と、保有期間や残高に対して差し引かれる信託報酬料があります。信託報酬料は必ずかかりますが、販売手数料がかからない(ノーロードファンド)証券会社もあります。
しかし、販売手数料がかからない銀行・証券会社は信託報酬料を高く設定している可能性があるので、投資信託を始める際は、銀行または証券会社の担当に確認しておきましょう。
プログラムを使って投資もできる
引用元:WealthNavi(ウェルスナビ)| ロボアドバイザーで全自動の資産運用
ウェルスナビという会社では、AI(プログラム)が代わりに投資をしてくれます。いくつかの質問に答えるだけで、自分に合った投資をしてくれるのです。投資の世界ではロボアドバイザーと言われています。
お任せ運用できるので、初心者の人はロボアドバイザーを活用するのも一つの手でしょう。
投資信託で口座を開設するならNISA・つみたてNISA!!
NISA・つみたてNISAは投資で得た利益を一定額まで非課税にできる制度です。前提として、口座開設はNISA・つみたてNISAどちらも開設することはできません。
どちらか片方を選ぶ必要があるのです。併用はできないので覚えておきましょう。正式名称は少額投資非課税制度で、金融庁もNISA・つみたてNISAによる資産形成を勧めています。
2021年2月26日の金融庁の報告によると、2020年12月末時点でのNISA口座数が1221万1468口座になったと発表されています。前年対比での増加率は4%です(参照元:01.pdf (fsa.go.jp) 金融庁)
つみたてNISAに至っては、302万8259口座で前年対比での増加率は1.6倍です。特に20代~30代の口座開設が増えています。
NISAや、つみたてNISAを活用して資産運用を始める若い世代が増えていると言えるでしょう。そこでNISA・つみたてNISAそれぞれの特徴を説明していきます。
NISA
NISAは2014年から始まった税制優遇制度です。2024年以降は新NISAに移行します(※新NISAについては後ほど説明します)
NISAの特徴
- 掛け金の上限額は年間120万まで(年間120万までの投資の運用益が非課税になる)
- 月額100円から積立が可能 ※金融機関によって金額は変わります
- いつでも引き出すことができる
- 投資可能期間は2023年まで
つみたてNISA
つみたてNISAは、少額の資金で長期的に投資することを目的として2018年に作られました。2037年まで投資が可能なので、長期的に資産形成できます。
つみたてNISAの特徴
- 掛け金の上限額は年間40万まで(年間40万までの投資の運用益が非課税になる)
- 月額100円から積立が可能 ※金融機関によって金額は変わります
- いつでも引き出すことができる
- 投資可能期間は2037年まで
NISA、つみたてNISAの違いは年間の積立額の上限と投資可能期間の2点のみです。
口座を開設したら
口座を開設したら、後は投資先を選んで実際に投資を始めるだけです。実際に運用するのはファンドマネージャーですが、今後自分で資産運用するにあたり参考になるでしょう。
あとは自動積立などを活用して、慣れてきたらより良い商品を買ってみましょう。100円からでも購入できるので、大きく損害を出すことはありません。
NISAは2024年より新NISAになります。新NISAがどういうものなのか説明していきましょう。
NISAは2024年以降に新NISAへ変わる
2023年に一般のNISAが終了し、2024年以降は新NISAになります。
新NISAになると主に3つの変更点があるのです。
➀新NISAの積立期間は5年間
新NISAの投資可能期間は2028年までとなっています。2028年以降は2021年2月時点では未定です。NISAの仕組みはコロコロ変わるので、定期的に金融庁のHPをチェックするようにしましょう。
②新NISAは2階建て
2階建てと言われても意味が分かりませんよね。それぞれ説明していきましょう。
1階部分
- 掛け金の上限額は年間20万まで(年間20万までの投資の運用益が非課税になる)
- つみたてNISAと同じ商品(投資信託)
- 2028年まで投資可能であり、1階部分はつみたてNISAにロールオーバー可能
上記のようになっています。つまり1階は、つみたてNISAみたいなものです。ロールオーバーというのは新NISAの1階部分の金額を、つみたてNISAにそのまま移すということです。
2028年の終了時は、解約してお金を下ろしても良いし、つみたてNISAに移行させても良いですよという意味になります。2024年に新NISA開始後の1階部分の資金については、一般NISAから20万円まで移すことも可能です。
2階部分
- 掛け金の上限額は年間102万まで(年間102万までの投資の運用益が非課税になる)
- 一般NISAから新NISAへロールオーバー可能
- 1階で積立投資をしないと2階部分が利用できない(※1)
(※1 一般NISAをしていた人や、株式投資経験者は2階だけの利用も可能です)
上記のようになっています。一般NISAから新NISAに102万円まで移行させることが可能です。
また、基本的には1階部分を使用していないと2階部分は使えません。例外として一般NISAをしていた人、株式投資経験者は2階だけの使用もできます。(金融機関に申請する必要があります)
このように新NISAは複雑な仕組みとなっています。分からないことがあれば金融庁や、最寄りの金融機関に問い合わせましょう。
つみたてNISAは5年延長
つみたてNISAは2037年までから2042年までに延長されます。1年間の掛け金は従来どおり40万までとなっています。
資産運用を始めるにあたりライフプランニングが大切
ライフプランニングとは簡潔に言うと、あらかじめ人生設計をしておき、必要な資金を予測して生涯設計を作ることです。
主な資金として教育資金や住宅資金、老後資金などが挙げられます。上記の資金は特にお金の支出が大きく、急に必要になったときにすぐ用意できないという特徴があります。
まとまったお金が必要な時に、資金が足りなくて困るといった状況が生まれないように、あらかじめいくら必要かを計算して、資産運用で投資をしながら目標資金へとお金を増やしていくのです。
仮に資金が足りない状態でも、足りない状態を予測していたら工面方法も考えているので、すぐにまとまった資金を準備できます。
資産運用が長期的な投資と言われるのは、根本にライフプランニングがあるからです。仮に目標を立てず、なんとなくお金を増やしたいという理由だと資産を増やすことは難しいでしょう。
なので、子どもの養育費のためにこれくらい必要だ、老後のためにこれくらい必要だと目標を立て、目標に向かって資産運用をしていきましょう。
まとめ
- 初めて投資をするなら投資信託を選ぼう!
- NISAまたは、つみたてNISAの口座を開設しよう!
- 一般NISAは2023年で終了して2024年以降は新NISAになることを覚えておこう!
- 投資を始める際は、必ずライフプランニングを設定しよう!
- 資産運用は長期的に運用することを理解しよう!
今回は投資を始めるにあたってNISA、つみたてNISAの説明を重点的におこないました。今後、日本で資産運用が主流になる時代がくるかも知れません。この記事が少しでもあなたの参考になったなら幸いです。
ここまで読んで頂き、本当にありがとうございました。