社会保険料の種類や計算方法・保険率をわかりやすく簡潔に解説!

社会保険料の計算は複雑であり、給与担当者でも間違うことが少なくありません。「社会保険料の計算をしていると頭がこんらがってきた…」こういった考えに陥る方も多いのではないでしょうか。

この記事では、社会保険料の計算方法を分かりやすくかつ簡潔に説明しています。この記事を読むことで、社会保険料の計算方法が具体的に分かるようになるでしょう。ぜひとも参考にしていただけたら幸いです。

社会保険率の概要

社会保険料の計算方法においては、社会保険料率を用いて計算します。なお社会保険率は何度も変更していくため、最新の社会保険率かは必ずチェックしておきましょう。

現状、社会保険料率は下記の表の通りです。

保険名社会保険率参照資料
厚生年金18.3%厚生労働省:kounenn.pdf (mhlw.go.jp)
健康保険※110%令和4年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
介護保険1.80%協会けんぽの介護保険料率について | 協会けんぽ | 全国健康保険協会 (kyoukaikenpo.or.jp)
雇用保険※20.90%厚生労働省:000739455.pdf(mhlw.go.jp)
労災保険事業により異なる※3令和3年度の労災保険率について~令和2年度から変更ありません~ (mhlw.go.jp)

※1 健康保険は「全国健康保険協会(協会けんぽ)」・「健康保険組合」の2つに分かれています。協会けんぽの保険料は都道府県ごとに異なっており、今回は平均値の10%を社会保険率としています。

※2 会社負担は「0.60%」従業員負担は「0.30%」

※3引用元:厚生労働省 労災保険率表rousaihokenritu_h30.pdf (mhlw.go.jp)

標準報酬月額の概要

標準報酬月額とは、給与などの平均額を等級表に当てはめたものを指します。

引用元:厚生労働省fee.pdf (sign-ad-displaykenpo.or.jp)

毎年4月から6月の賃金を元に決定され、9月に改訂が行われます。社会保険料の計算方法において社会保険率と同様、標準報酬月額も用いて計算します。

逆に考えると「標準報酬月額」と「社会保険率」が分かれば計算できるということです。

実際の社会保険における計算方法を紹介

ここからは、実際に社会保険における計算方法を解説していきます。なお、標準報酬月額は20万円と仮定します。

  1. 厚生年金の計算例
  2. 健康保険の計算例
  3. 介護保険の計算例
  4. 雇用保険の計算例
  5. 労災保険の計算例

1つずつ見ていきましょう。

➀厚生年金の計算例

  • 200,000(標準報酬月額)×18.300%(厚生年金保険料率)÷2(会社と折半)=18.300円

18.300円が厚生年金の金額となります。

②健康保険の計算例

  • 200,000(標準報酬月額)×10%(健康保険料率)÷2(会社と折半)=10,000円

10,000円が健康保険の金額となります。

③介護保険の計算例

  • 200,000(標準報酬月額×1.80%(介護保険料率)÷2(会社と折半)=1,800円

1,800円が介護保険の金額となります。

④雇用保険の計算例

雇用保険は会社が「0.60%」負担し、従業員は「0.30%」負担します。よって式は下記の通りです。

  • 300,000円(総支給額)×0.60%(会社負担)=1.800円
  • 300,000円(総支給額)×0.30%(従業員負担)=900円

納める合計金額は2,700円ですが、会社が1,800円・従業員が900円を負担します。

⑤労災保険の計算例

労災保険は会社が全額負担するので、従業員は一銭も支払う必要がありません。また労災保険は事業によって細かく定められています。

飲食店に勤めていると仮定した場合、下記の式になります。

  • 300,000円(総支給額)×0.3%=900円(会社負担)

引用元:厚生労働省fee.pdf (sign-ad-displaykenpo.or.jp)

まとめ

この記事では、社会保険料の計算方法を分かりやすくかつ簡潔に説明しました。社会保険料は計算方法が複雑でややこしいです。

また収入や年齢によっても変わり、法改正などでも頻繁に変わっていきます。間違えないために、会計ソフトを活用するのも1つの手でしょう。手打ちだと間違える確率も高くなります。

この記事が少しでも参考になったなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。