住宅を購入した際には必ずと言っていいほど火災保険への加入を勧められます。また最近は地震保険も注目されていますが、地震保険は火災保険に付帯されています。
よって火災保険に加入しなければ地震保険には入れません。入るのが当たり前のようになった火災保険ですが、対象や補償内容は複雑ですし損害保険会社も多くあります。
そこで今回は火災保険をあまり知らない方のために、FP2級の資格を持つ私が火災保険の選び方について説明していきます。少しでも参考にしていただければ幸いです。
目次
火災保険の対象の選び方
火災保険の対象になるのは建物、家財、什器・設備です。什器・設備とは店舗や業務上で使用する消耗品などです。
一般の方は建物、家財を対象に保険をかけることができます。掛けられる保険金額の範囲は損害保険会社によって異なります。
家財は保険金額を制限していない損害保険会社も多いです。しかし、保険金額を高くしすぎると支払う保険料も増えるので注意しておきましょう。
また建物と家財と両方に掛けられるのはもちろん、建物だけに掛けたり家財だけに掛けたりすることも可能です。掛ける保険金額も比較的自由に設定できるため、自分の生活やライフプランに合った掛け方をしましょう。
他に地震保険は単体で契約ができないため、火災保険とセットで加入する形になります。
ですので、地震保険も対象にするかどうか決める必要があります。地震保険も建物・家財とそれぞれ保険金を掛けます。
しかし地震保険で補償される金額は最大で
➀火災保険の金額の30~50%の範囲内
②かつ建物は5,000万円まで
③かつ家財は1,000万円まで
と、上限が定められています。
もちろん地震保険にも加入すると、毎月払う保険料は高くなります。また日本は地震が多く発生する国なので、地震保険の保険料も年々値上がりしています。
地震保険に加入する場合は、予算に合った範囲内で加入することをおすすめします。
補償内容の選び方
火災保険といっても火災に対する保険だけではありません。
- 【火災リスク】火災・落雷・破裂・爆発
- 【自然災害リスク】風災・ひょう災・雪災・水災
- 【日常生活リスク】水濡れ・盗難・偶発的な事故・物体の落下による破損
上記のように、火災保険は様々なリスクに対して保険を掛けることができます。
火災・落雷・破裂・爆発の火災リスクを軸として、自分が住んでいる地域や建物にあった補償内容を選ぶようにしましょう。
例えば雪が良く降る地域では雪災や、ひょう災を選んだ方が良いです。なぜなら、雪やひょうによって災害が起きる可能性が雪の降らない地域に比べると格段に高いからです。
逆に雪やひょうが全く降らない地域だと補償に入っていても保険料の無駄払い=払い損になってしまいます。
治安が悪いなら盗難を選んだりと住む地域の環境や建物の構造、ライフスタイルなどからリスクを取った方が良い・取らない方が良いと判断して補償内容を選ぶべきです。
補償内容は契約期間内であればいつでも変更できるので、新たに補償をつけたり補償を外したりすることもできます。
損害保険会社の選び方は複数社に見積もり依頼をして決める
火災保険に加入するにあたり、どこの損害保険会社に入れば良いか迷う方も多いのではないのでしょうか?
決める基準としては、複数社に絞り各損害保険会社に見積もり依頼をして、一番安い金額を提示してきたところに加入するのがおすすめです。
前提として建物や家財の保険金額、保険期間や補償内容を決定しておく必要があります。全く同じ条件を複数社に提示することで比較しやすくなります。
火災保険は同じような条件でも、損害保険会社ごとに多少の違いはあるので保険料を比較検討することが望ましいです。
火災保険は住宅を購入したときに、建物の売り主や金融機関など様々な業者から提案を受けることになります。しかし、業者から勧められた損保会社より自分で探して見つけた損保会社の方が安く抑えられる可能性は高いです。
また、火災保険は定期的な見直しも必要になってきます。「建物にしか掛けていなかったが、やはり家財にも火災保険を掛けたい」、「地震保険を付けていなかったが、やはり地震保険を付けたい」と考えが変わることも珍しくないです。
そういったときにすぐに対応してくれる、あるいはコミュニケーションが取りやすい損保会社を選ぶことも大切です。